米国の伝説的歌手、故エルビス・プレスリーの邸宅「グレースランド」(テネシー州)を不当に競売にかけ、遺族から多額の資産をだまし取ろうとしたとして、米連邦検察は16日、ミズーリ州の女性(53)を詐欺容疑などで訴追したと発表した。今年5月には、「グレースランドが競売にかけられる」という虚偽の告知が地元紙に掲載され、話題となっていた。

 検察によると、訴追されたのはリサ・フィンドリー容疑者。裁判所に提出された書面などによると、架空の会社を作ったうえで、プレスリーの一人娘で2023年1月に死去したリサ・マリー・プレスリーさんが、生前にこの会社から380万ドルを借り、グレースランドを抵当としていたという虚偽の書面を作成。遺族が和解金として285万ドルを支払わない限り、競売を進めると脅したとされる。

 フィンドリー容疑者はまた、地元紙に「競売が5月23日に行われる」という告知を掲載。プレスリーの遺族が訴えたことで、裁判所が競売の手続きを止めたという。

 テネシー州メンフィスにあるグレースランドはプレスリーが1957年に購入し、20年後に死去するまで住んだ。現在は一般に公開され、世界中から観光客が訪れる。(ニューヨーク=中井大助)

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