【北京=田島如生】中国で改革開放路線への転換を主導した故・鄧小平氏の生誕から22日で120年を迎えた。中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は北京市内で演説し、改革開放を柱とする鄧小平氏の理論を「深く学習し応用し続ける」と表明した。
中国国営新華社が伝えた。習氏は経済運営などで「改革の全面深化」を掲げており、鄧氏の改革開放路線の継承を印象づける思惑があるとみられる。中国経済は現在、不動産不況や内需不足、海外からの投資の落ち込みに直面している。
中国共産党は22日、北京の人民大会堂で鄧氏の生誕120年を記念する座談会を開いた。習氏は「党、軍、全国民から認められた卓越した指導者だ」と称賛した。「同志が残した最も重要な思想的財産は『鄧小平理論だ』」と指摘した。
鄧氏の理論に基づき「高水準の対外開放を推進し、制度上の開放を着実に拡大する」と訴えた。中国の広域経済圏構想「一帯一路」の発展促進も言明した。
中国で政治の民主化を求める若者らを当局が1989年に武力で鎮圧した天安門事件にも言及した。当時、事実上の最高指導者だった鄧氏について「動乱に明確に反対し、党と国家が危険な荒波のような厳しい試練に耐えられるようにした」と評価した。
自ら掲げる新たな社会発展モデル「中国式現代化」や国家安全にも意欲を示した。「常に党が中国の特色ある社会主義における強力な指導の中核であり続けなければならない」と述べ、党統治の改善や反腐敗の徹底を唱えた。
習指導部が事実上の公約に掲げる台湾統一への決意を改めて示した。「新時代における台湾問題解決のための全体戦略を実施する」と語った。中台両岸関係の平和的発展を促進し、台湾独立への動きに断固反対すると主張した。
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