【NQNニューヨーク=矢内純一】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比263ドル71セント高の3万8503ドル69セント(速報値)で終えた。中東の地政学リスクへの過度な警戒が和らぐなか、幅広い銘柄に押し目買いが入った。同日発表の米経済指標が米国のインフレ再加速への懸念を高めなかったことも株買いを促し、ダウ平均の上げ幅は一時300ドルを超えた。

イスラエルとイランが双方の攻撃への抑制的な姿勢を見せている。先行きは依然として不透明なものの、前週まで投資家心理の重荷となっていた中東情勢に対する過度な不安感が後退している。ダウ平均は前日時点で3月末に比べ、1567ドルほど安い水準にあった。景気敏感株や消費関連の一角に値ごろ感を意識した買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、朝方に四半期決算を発表したゼネラル・モーターズと航空機エンジンのGEエアロスペースが上昇。投資家の買い安心感につながった面もある。

S&Pグローバルが発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)の速報値は、製造業とサービス業がどちらも市場予想に届かなかった。市場では米国のインフレ懸念を高めるほどの内容ではなかったとの受け止めが広がった。米債券市場では長期金利の上昇が一服し、株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスとウォルト・ディズニーが上昇した。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムといったハイテク株も高かった。半面、ウォルマートとユナイテッドヘルス・グループには売りが出た。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比245.335ポイント高の1万5696.640(速報値)で終えた。エヌビディアやメタプラットフォームズなどの主力株が上昇した。

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