ドイツの検察当局は、23日、EUの議会にあたるヨーロッパ議会の議員スタッフとして働くドイツ人の男をスパイ容疑で拘束したと発表しました。

検察当局は、この男は実際は中国の情報機関の職員で、ことし1月、EUの議会の決定などに関する情報を中国側に繰り返し渡していたとしています。

また、ドイツ国内で中国の反体制派に関する情報も収集していたといいます。

拘束された人物をスタッフとして雇っていたドイツの右派政党「ドイツのための選択肢」の議員は、ことし6月のヨーロッパ議会の選挙で党の有力候補ともなっていて、ほかの政党からは議員に対して辞職を求める声が上がり波紋を広げています。

ドイツでは、4月22日にも検察当局が中国の情報機関のために軍事転用が可能な技術を入手したとして別のドイツ人の逮捕を発表したばかりです。

今回の事態について中国外務省の汪文斌報道官は23日の記者会見で、「中国スパイ脅威論」を通じて中国とヨーロッパの協力の雰囲気を損なおうとしていると主張し、「ドイツ側の関係者が冷戦思考を捨て、いわゆるスパイの危険を口実に、中国に反対する政治工作をやめるよう望む」と反発しました。

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