ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部と国境を接する地域で活動するウクライナ軍部隊で広報を担当する兵士が、作戦の詳細について、NHKの取材に応じました。

この中で、越境攻撃について「現地の司令部などでも兵士や将校は作戦について知らず、考えもしていなかった」と述べ、作戦はごく少数の関係者だけで秘密裏に進められたとしています。

そして「無人機や衛星を使ってクルスク州を徹底的に偵察していた。西側のパートナーは衛星からの詳細な情報を提供してくれた。情報がなければ作戦はより難しかっただろう。最後の瞬間に部隊となって突撃した。小さなグループで車も別々で移動した。すべてが素早い行動だった」と述べ、西側から提供された衛星画像などの情報を活用してロシア側の動きをひそかに把握した上で一気に進軍したことを明らかにしました。

また、越境攻撃を前にクルスク州に隣接するウクライナのスムイ州に部隊を配置していたとして「ロシアがスムイ州に別の戦線を開こうとしていると恐れているふりをしてわれわれは部隊を配置した。敵はわれわれが発したうその情報を信じたのだ」と述べ、情報戦も駆使して綿密に準備したと説明しました。

そして越境攻撃の目的についてこの兵士は「ロシアの民間人に与える心理的な要因を忘れてはならない。作戦は敵の戦意を喪失させる動きとしても計画されていた」と述べ、ロシア社会に動揺を与え、不安定化させることが目的の1つだという見方を示しました。

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