フランスのマクロン大統領は26日、指名に向けた調整が難航している新首相について、国民議会(下院)選挙で最大勢力に躍進した左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」からは指名しない考えを表明した。左派内閣が成立しても他の勢力からの不信任で総辞職に追い込まれると判断した。

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 フランスでは、大統領が下院の最大会派の意向を踏まえて内政を担当する首相を指名する慣例がある。NFPはこの慣例をもとに統一候補に選んだパリ市幹部のリュシー・カステ氏を首相に選ぶようにマクロン氏に求めていた。

 マクロン氏は26日夜、各政党の代表らとの会談を終えた後に声明を発表し、NFPによる内閣は他のすべての勢力による不信任の対象になると指摘。「国の安定を考慮すると、この選択肢は選べない」とし、27日から各党と協議を再開すると明らかにした。

 NFP側はマクロン氏の決定に反発を強め、街頭での抗議デモを呼びかけている。フランスでは28日から、パリ・パラリンピックが開催される。(パリ=宋光祐)

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