ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=横内理恵】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比56ドル40セント安の4万1194ドル10セントで推移している。ダウ平均の構成銘柄ではないが、人工知能(AI)関連銘柄の代表格であるエヌビディアが通常取引終了後に決算を発表する。ハイテク株を中心に持ち高調整の売りに押されている。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を材料にした買いが続いており、ダウ平均は上昇に転じる場面がある。

大引け後にエヌビディアが2024年5〜7月期決算を発表する。AI向け先端半導体で市場シェアが高く、AI関連の需要の強さとハイテク株の先行きを占う上で注目される。市場では「最高の業績発表になる」(ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏)との指摘がある。業績期待から株価(前日終値は128ドル)は6月に付けた上場来高値(140ドル)に近づいており、収益見通しなどが市場の高い期待に届くかを不安視する見方もある。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も7月に付けた最高値に迫っている。短期的な過熱感が意識され、一部銘柄に持ち高調整や利益確定の売りが出ている。

売り一巡後、ダウ平均は上昇に転じ、前日に付けた最高値(4万1250ドル)を上回る場面もある。FRBが9月にも政策金利を引き下げるとの見方は株式相場を下支えしている。ハイテク株に買いが入りにくいなかで、ディフェンシブ株や景気敏感株の一部が上昇し、指数を押し上げている。

ダウ平均ではボーイングやウォルト・ディズニーが安い。シスコシステムズやシェブロンも売られている。一方、メルクやジョンソン・エンド・ジョンソンなどが高い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落で始まった。エヌビディアには売りが出ている。

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