【NQNニューヨーク=川上純平】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比159ドル08セント(0.38%)安の4万1091ドル42セントで終えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、取引終了後にエヌビディアが決算を発表する。内容を見極めようとハイテク株を中心に持ち高調整の売りが出た。

エヌビディアは28日の取引終了後に2024年5〜7月期決算を発表する。人工知能(AI)向け半導体の需要が旺盛なことから好決算を見込む声が多いものの、株価が大きく上昇しているため発表後は材料出尽くしの売りが出るとの警戒感もある。

エヌビディア株の決算発表後の値動きが29日の米株相場を左右する可能性もあり、投資家が慎重姿勢を強めた。市場では、エヌビディアの決算について「他の大手ハイテク企業がAIにどれくらい投資するのかを見極める上で最も重要な指標になる」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との指摘があった。

ダウ平均は前日に最高値を連日で更新し、高値警戒感も根強い。主力株には利益確定の売りも出やすかった。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに転じるとの見方は投資家心理の悪化に歯止めをかけた。ハイテク株が売られる一方でディフェンシブ株に資金が向かい、指数を下支えした。午前にはダウ平均が上昇する場面もあった。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトといったハイテク株の下げが目立った。ナイキやインテル、シスコシステムズにも売りが出た。半面、アムジェンやメルク、コカ・コーラは上昇。ジョンソン・エンド・ジョンソンも買われた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイの時価総額が28日、初めて1兆ドルに達した。米株市場では、ハイテク株以外で初の大台乗せとなる。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比198.793ポイント(1.11%)安の1万7556.027で終えた。エヌビディアやテスラが下げた。

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