ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、ビデオ演説でウクライナ空軍のオレシチュク司令官を解任したと発表しました。

ウクライナでは今月26日、ロシア軍によるミサイル攻撃の迎撃にあたっていたF16戦闘機が墜落しパイロットが死亡していて、ウクライナ国防省が特別調査委員会を設置し原因を調べています。

ゼレンスキー大統領は解任の理由については明らかにしていませんが、司令官の解任は、この墜落に関係している可能性があります。

墜落の原因をめぐってメディアは、軍が運用する防空ミサイルの誤射や技術的なトラブルなどの可能性も取り沙汰されていると伝えています。

ウクライナの議会にあたる最高会議の議員も30日、SNSで「自国の防空システムで撃墜された」と主張し「なぜ沈黙するのか」とオレシチュク司令官を批判していました。

これに対し、オレシチュク司令官もSNSに「誰も何も隠していない。あなたは私と空軍をひぼう中傷し、大事な仲間であるアメリカの信用も失墜させた。ロシア全体が、あなたに拍手を送っている」と投稿し、こうした批判はロシアを利するだけだと反論していました。

米国防長官 ”必要な軍事支援 続ける”

ウクライナ軍のF16戦闘機が墜落し、防空態勢などに深刻な影響が出るとも指摘されるなか、アメリカのオースティン国防長官は、ウクライナのウメロフ国防相と会談し、無人機やミサイルを迎撃するための防空能力の強化など、必要な軍事支援を続ける考えを示しました。

アメリカのオースティン国防長官は30日、国防総省でウクライナのウメロフ国防相と会談しました。

会談の冒頭、オースティン長官は、今週はじめのロシア軍によるウクライナ各地への大規模攻撃に触れ「民間人を標的にすることは決して許されない」と述べ非難しました。

そのうえで「アメリカはロシアの侵攻と戦うためにウクライナが必要とする重要な能力を提供し続ける」と述べ、同盟国などと協力して無人機やミサイルを迎撃するための防空能力の強化など、必要な軍事支援を続ける考えを示しました。

ウメロフ国防相はアメリカの支援に改めて謝意を示し、最新の戦況や今後の方針についても詳しく意見を交わしたということです。

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