釈放決定後、支持者を前に話す台湾民衆党の柯文哲主席(中央、2日、台北)=中央通信社・共同

【台北=共同】台湾第2野党、台湾民衆党の柯文哲主席(党首)が逮捕された汚職事件で、台北地方法院(地裁)は2日、台北地方検察署(地検)の柯主席への勾留請求に対し、犯罪の嫌疑は重大ではないとして保証金なしでの釈放を決定した。

地検は決定を不服として抗告するとみられ、捜査の行方は混迷化してきた。民衆党側は捜査当局への批判を強めている。事件は柯主席が台北市長時代のもので、地裁は、柯主席と共に勾留請求された当時の副市長については勾留を決定した。

柯主席は釈放決定後、地裁周辺に集まった支持者に、自身に対する捜査で「圧迫と侮辱」を受けたと主張。圧力に屈せず釈放を決めたとして裁判官に謝意を表明した。

柯主席は台北市長だった2020年、市内の商業施設建設を巡り、業者側の陳情に応じて容積率を不正に引き上げ、便宜を図った疑いで捜査を受けた。しかし地裁は、柯主席が引き上げの過程に違法性があることを知っていたとは認められないと判断した。

地検は8月30日、柯主席の自宅など関係先を一斉に家宅捜索し、柯主席の事情聴取を始めた。柯主席が夜間の聴取を拒否したため31日未明に逮捕。地検はその後、裁判所に勾留を請求し、柯主席には収賄の容疑もあると指摘していた。

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