【北京=河北彬光】台湾の第2野党「台湾民衆党」の柯文哲(かぶんてつ)主席(党首)が汚職容疑で逮捕された事件で、台湾の裁判所は2日、検察当局が請求した柯氏の勾留を認めず保釈金なしで釈放することを決めた。台湾メディアによると、柯氏は釈放後、逮捕容疑となった事件の経緯に関し「全く知らなかった」と潔白を主張した。  裁判所は決定で、検察の証拠からは柯氏の犯罪の嫌疑が重大だと認められないとした。検察は決定を不服として抗告する。主要政党トップの逮捕という異例の事件は、捜査の先行きが不透明な情勢になっている。

◆支持者には「逮捕後に抑圧された」と訴え

 柯氏は率直な物言いでインターネット上や若者を中心にカリスマ的な人気を博してきたこともあり、柯氏の釈放には大勢の支持者が詰めかけた。柯氏は支持者の前で「逮捕後は抑圧され虐げられた。捜査の目的が理解できない」と訴えた。  柯氏は台北市長だった2020年、商業ビル建設を巡って開発業者の要請を受け、容積率の不正な引き上げに便宜を図った疑いで捜査の対象となった。検察は8月31日、聴取に応じていた柯氏が疲労を理由に拒否したとして逮捕に踏み切った。一方、裁判所は2日、当時の副市長に関し勾留を認める決定をした。  民衆党は、与党・民主進歩党(民進党)と最大野党・国民党の二大政党に対抗する勢力として有権者の受け皿になってきた。柯氏逮捕や民衆党本部の家宅捜索を受け、党は記者会見を開くなどして検察批判を強めている。 

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