【ワシントン=芦塚智子】米民主党の大統領候補であるハリス副大統領の陣営は6日、8月に集めた献金が3億6100万ドル(約513億円)に上ったと発表した。共和党候補のトランプ前大統領陣営が集めた1億3000万ドルの3倍近くとなった。バイデン大統領の選挙戦撤退を受けて出馬したハリス氏への民主支持者の期待を反映した。
ハリス陣営によると、7月下旬の出馬表明以降に民主党全国委員会などと共同で集めた献金は6億1500万ドルに達し、8月末時点の手持ち資金は4億400万ドルとなった。11月の大統領選まで2カ月を切り、政治広告や激戦州での選挙活動に多額の資金を投入し攻勢をかける構えだ。
同陣営は、8月の献金の95%が200ドル未満の小口献金だったと説明。60%以上が女性で、共和党や無党派として有権者登録している人が5分の1近くを占めたと指摘した。教諭や看護師からの献金が目立つという。
ハリス陣営は9月初めから投票日までに3億7000万ドル以上を政治広告に支出すると発表している。うち1億7000万ドルを地上波やケーブルテレビ、2億ドルをインターネット接続型テレビ「コネクテッドTV(CTV)」やネット音楽配信サービスなどへの広告にあてる。
さらに民主の多数派維持がかかる連邦議会上院選や、多数派奪還を狙う下院選などで民主候補を支援するため約2500万ドルを関係団体に配分した。
一方のトランプ陣営は、8月末の手持ち資金を2億9500万ドルと発表した。8月の献金の98%が200ドル未満の小口献金で、献金額の平均は56ドルだった。
バイデン氏の民主候補指名が確実だった4〜6月の集金額や6月末時点の手持ち資金はトランプ氏が上回っていた。民主候補がハリス氏に代わって逆転した。
全米で長丁場の選挙戦を展開する大統領選は、広告費などに巨額の選挙資金が必要だ。資金力が選挙の行方を左右しかねない。米調査サイト「オープンシークレッツ」によると、2020年大統領選の選挙支出は総額約57億ドルと過去最高だった。
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