停戦と人質解放協議は難航 進展見通せず

イスラエルとハマスの戦闘が続くガザ地区では感染拡大が懸念されるポリオのワクチン接種が続いていて、今月5日からは南部で、少なくとも3日間、双方が午前6時から午後2時まで戦闘を一時休止し、国連機関が接種を行っています。

ただ、現地では決められた時間帯を過ぎるとイスラエル軍による攻撃が再開されていて、NHKガザ事務所が撮影した映像では、6日も南部ハンユニスへの空爆でけがをした幼い子どもなどが病院に搬送される様子が写っています。

ガザ地区の保健当局は5日、これまでの死者が4万878人にのぼったと発表していて、住民の犠牲が後を絶ちません。

イスラエルとハマスの間の停戦とガザ地区で捕らわれている人質の解放に向けた協議では、アメリカが仲介国のエジプトやカタールとともに近く新たな提案を示す考えを明らかにしています。

6日にイスラエルを訪れたドイツのベアボック外相は「軍事的な圧力だけでは人質の命は危険にさらされる」と述べて、協議を前進させるよう呼びかけました。

また、イスラエル国内では101人の人質の解放のため連日、大規模な集会が開かれ、合意の実現を政府に求める声も高まっています。

ただ、ネタニヤフ首相は停戦後もガザ地区の戦略的要衝への軍の駐留を続けると主張し、完全な撤退を求めるハマスとの立場の隔たりは大きく協議の進展は依然として見通せない状況です。

入植地拡大に反対の米国人女性死亡か

パレスチナの地元メディアは6日、ヨルダン川西岸の町ベイタで、ユダヤ人入植地の拡大に反対する活動を行っていた26歳のトルコ系のアメリカ人の女性がイスラエル軍の兵士に銃で撃たれその後、死亡したと伝えています。

これについてアメリカ国務省のミラー報道官は6日、NHKなどの取材に対し「アメリカ人がヨルダン川西岸で悲劇的な死を遂げたことは把握している。われわれは彼女が亡くなった時の状況について至急、情報を集めている」と述べ、アメリカ人女性が死亡したことを確認したと明らかにした上で詳しい調査を行っているとしました。

イスラエル軍も6日の声明で「イスラエルの治安部隊に石を投げるという暴力行為を行った人物に対して発砲した。外国籍の女性が死亡したという情報については調査中だ」としています。

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