アフリカ南部ザンビア出身のモニカ・ムンガ選手(25)は、生まれたときから肌や髪の毛などの色素が少ないアルビノで、網膜の色素も少ないため、視力が弱く、近くのものしか見えません。

ザンビアや周辺の国々では、特別な力を得られるという迷信のためアルビノの人たちが殺害される事件が相次いでいる上、偏見や差別も根強く、ムンガ選手はこうした状況を変えたいと競技を続けています。

東京大会に続く2回目のパラリンピック出場となった今大会、ムンガ選手は5日に行われた陸上女子400メートル、視覚障害のクラスの予選で、ほかの選手に引き離されながらも懸命に走り続け、7人中最下位で決勝進出はならなかったものの、1分4秒90のタイムで自己ベストを1秒近く更新しました。

レース後、ムンガ選手は記録更新を喜ぶ一方、「今大会に出場するのは簡単ではなかった」と話し、母国では障害者スポーツへの理解が進まずパラリンピック委員会が資金不足に陥っているため、国際大会への出場は東京大会以来だったと打ち明けました。

そして「4年後はきっとタイムをさらに縮められる。アルビノだから勝てないと言う人たちに、金メダルを見せたい」と、次のロサンゼルス大会への意欲を見せた上で「1人では夢は実現できない。支援を受けられるかどうかにかかっている」と訴え、企業などの支援を呼びかけました。

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