79期の国連総会議長を務めるフィレモン・ヤン氏=国連提供

【ニューヨーク=佐藤璃子】ニューヨークの国連本部で10日、第79期の国連総会が開幕した。世界的な紛争や新興・途上国への対応などを巡り、各加盟国・地域の首脳らが一堂に会して討議する。カメルーンのフィレモン・ヤン新議長は開幕式で「パレスチナ自治区ガザ戦闘やハイチ情勢、ウクライナ侵略を含む問題の解決を最優先に、総会が決意を持って取り組むよう求める」と訴えた。

各国首脳による一般討論演説は24日から始まる。現時点ではバイデン米大統領は24日、ウクライナのゼレンスキー大統領は25日の演説が予定されている。ロシアからはラブロフ外相が出席する予定だ。演説者は当日まで変更の可能性がある。

ガザ戦闘を巡って対立するパレスチナのアッバス議長とイスラエルのネタニヤフ首相は26日に演壇に立つとみられる。正式な加盟国として認められていないパレスチナは、5月に国連での権利拡大を認める総会決議後、初めて加盟国と同様にアルファベット順に着席して参加する。

米欧との関係改善を図るイランのペゼシュキアン大統領は24日に演説する。

25日はロシアによるウクライナ侵略やガザの戦闘、スーダンの内戦といった世界的な紛争を協議する安全保障理事会の首脳級会合を開く。国連憲章の順守などを盛り込んだ議長声明を発表する方向で調整している。

2030年までの達成が危ぶまれる持続可能な開発目標(SDGs)を話し合う「未来サミット」は22〜23日に開かれる。貧困や過剰債務を抱える途上国の進捗が大幅に遅れており、各国首脳は開発資金を確保するための国際金融システムの改革などについて討議する。

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