8月は製品の価格が前月から横ばいとなった(南部テキサス州)=ロイター

【ワシントン=赤木俊介】米労働省が12日発表した8月の卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率(季節調整済み)が0.2%となった。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測と一致した。8月は卸売・小売販売の手数料などサービス価格が上昇した。

品目別でみると、8月はサービスの価格が0.4%上昇した。労働省によると、ゲストルームの貸し出しサービス価格が4.8%上昇し、全体をけん引した。機械・車両の卸売販売、燃料・潤滑剤の小売販売などの手数料も上昇した。一方で、旅客航空サービスの価格は0.8%下がった。食品・酒類の小売販売サービスの手数料も低下した。

製品の価格は前月から横ばいだった。8月はたばこの価格が2.3%上昇した。鶏卵、ガソリン、軽油、医薬品などの価格も上昇した。一方、ジェット燃料の価格は10.5%下落した。食肉製品、電力、藁などの価格も低下した。

PPIの前年同月比(季節調整前)の上昇率は1.7%だった。伸び幅は下方修正された前月の改定値から縮小した。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は前年同月比で3.3%上昇した。

調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は「卸売・小売とも販売価格の強靱(きょうじん)さに注目している」という。販売手数料が一因となっており、6〜8月は年率換算で3.9%上昇した。同氏は「投入コストのインフレが落ち着き始めたものの、恩恵が消費者に届いていない」と分析している。

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