【ソウル=上野実輝彦】韓国の人気K―POPグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」のメンバーが11日夜、大手芸能事務所「HYBE(ハイブ)」の内紛を巡り、考えを初めて直接語った。YouTubeの緊急ライブ配信でHYBEへの不信感を示し、傘下レーベル「ADOR(アドア)」代表を解任されたミン・ヒジン氏を25日までに復職させるよう訴えた。突然の意見表明は、トップアイドルグループの今後の活動に影響する可能性がある。 ▶NewJeansがライブ配信で語った内容【全文】

◆「大人だけに任せず勇気を出すことにした」

 4月にHYBEとミン氏の対立が表面化し、8月にミン氏が代表から理事に降格。NewJeansのミュージックビデオ(MV)を制作してきた監督の作品もインターネット上で公開できなくなった。

NewJeansの(左から)ヘイン、ヘリン、ハニ、ミンジ、ダニエル=2023年、東京・原宿で

 NewJeansメンバーは配信について「私たちの人生がかかった問題なので、大人だけに任せず勇気を出すことにした」(ヘインさん)と説明。事務所などに知らせずに準備したと明かした。

◆25日までに判断を下すよう求めたが…

 ダニエルさんは「ミン氏は私たちそのものであり、代えの利かない存在」だと強調。ミン氏と対立するHYBEを批判した。ミンジさんは「私たちの作品が侵害されている」と話し、共に音楽作品をつくってきたミン氏やMV監督らへの信頼感を示した。  ミンジさんは約30分間の配信の最後に、ミン氏の代表復帰など「ADORを元に戻す賢明な判断」を25日までに下すようHYBEに求めた。  12日のHYBEの臨時株主総会で新代表に選ばれたイ・ジェサン氏は、韓国メディアの取材に対し「時間はかかるが原則通り、冷静に対応している」と、NewJeans側の要求を事実上拒否した。

◆ネットでは同情的な一方、「洗脳されている」と批判も

 ADORは公共放送KBSに対して「配信内容を精査しているところだ」と説明。ミン氏は12日夕までにコメントしていない。  聯合ニュースは内紛が「NewJeansの契約紛争に飛び火する」と報じた。NewJeans側から契約を解除すれば、多額の違約金が生じる可能性がある。法廷闘争に発展した場合はイメージダウンや精神的負担も避けられない。今回の配信を含め、NewJeans側が世論を味方に付ける行動に注力するとの見方も出ている。  ネット上では「大衆にSOSを送っている。知らんぷりをしてはいけない」などNewJeansに同情的な書き込みが見られる。「ミン・ヒジン(氏)に洗脳されている」と批判的な書き込みもあるが「(HYBE側が世論を誘導するため雇った)書き込みアルバイトだろう」と反発する声も上がっている。 ▶次のページ NewJeansがライブ配信で語った内容【全文】 前のページ
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