救急医のジャルールさん=8月、ガザ中部デールバラハ(共同)
パレスチナ自治区ガザでは、イスラエル軍の攻撃で多くの病院施設が破壊され、残る病院には負傷した患者が押し寄せている。中部デールバラハのアルアクサ殉教者病院で奔走する救急医は、休む間もないと嘆きながらも「代わりがいないから」と自身に言い聞かせていた。共同通信ガザ通信員が救急医を取材した。 「1日に20~40人の患者が来る」。35年近く救急医を務めるラファト・ロフィ・ジャルールさん(55)はため息をついた。院内では医師や看護師が慌ただしく行き交う。 昨年10月の戦闘開始から死者は4万千人を超え、負傷者は9万6千人に迫る。国連人道問題調整室によると、ガザ全体で36病院あるうち17病院が部分的に機能するだけ。物資の搬入は厳しく制限され、電力や医療品の不足が続く。 ジャルールさんは子どもや女性の犠牲が多いと指摘。「最近は、重いやけどや手足を切断せざるを得ない外傷が多い。イスラエルはより強力な兵器を使っているのではないか」と危惧する。 毎日のように遺体が運び込まれるが、遺体の保管には電力が必要で数日間が限界だという。
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