ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月20日の動き)
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EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は、ウクライナを訪れ、制裁で凍結したロシアの資産の利子から得られる収益を活用して、ウクライナに対し最大で日本円にしておよそ5兆6000億円の融資を行う考えを表明しました。
EUのフォンデアライエン委員長は20日、ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談したあと、そろって記者会見を行いました。
このなかでフォンデアライエン委員長は、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナを支援するため、最大で350億ユーロ、日本円にしておよそ5兆6000億円の融資を行う考えを表明しました。
融資は、ことし6月のG7サミットでの合意に基づき、制裁で凍結したロシアの資産の利子から得られる収益を活用し、ウクライナにとって財政的な負担にはつながらないとしています。
フォンデアライエン委員長は「これは大きな前進だ。ロシアはみずから行った破壊の復興に費用を支払うことになる」と述べ、意義を強調しました。ゼレンスキー大統領は、電力不足が深刻化しているエネルギー分野や防衛などに資金をあてるとしています。
また、来週、アメリカのバイデン大統領に示すとしている、戦争を終結させるための計画について、「アメリカの前向きな姿勢と支援にかかっている部分もある。バイデン大統領が計画を支持することを願っている」と述べ、アメリカ側の理解が得られることに期待を示しました。
ロシア反体制派の指導者 “民主的な政治体制築く必要性訴え”
ロシアの反体制派の指導者で、大規模な身柄交換によって刑務所から釈放されたウラジーミル・カラムルザ氏がイギリスで会見し、ロシア国民はプーチン政権に抑圧されているとして、ウクライナへの軍事侵攻を失敗に追い込み、民主的な政治体制を築く必要性を訴えました。
ロシアの野党政治家でジャーナリストとしても活動するカラムルザ氏は、ロシアによるウクライナ侵攻を批判したことで国家反逆罪などで禁錮25年の実刑判決を受けた一方、ことし5月には刑務所内からの寄稿で、すぐれた報道などに贈られるピュリツァー賞に選ばれました。
先月、欧米との大規模な身柄交換によって釈放されたあと、欧米各国をまわって、ロシアと同盟国ベラルーシで収監されている人たちの解放などを働きかけていて、20日は、イギリスのスターマー首相とロンドン市内で面会したあと記者会見しました。
この中でカラムルザ氏は、みずからの収監中、ロシア全土から連帯を示す何千通もの手紙を毎月、受け取っていたことを明らかにしました。
そのうえで、「プーチン政権はプロパガンダによって人々を抑圧し、混乱させ、全員が戦争を支持しているように見せかけている」と述べ、ロシア国内の反戦の機運を高め、ウクライナ侵攻を失敗に追い込まなければならないと強調しました。
さらに「ロシアの歴史を見ると、侵略戦争の失敗が政治的変革の引き金となってきた」と指摘し、侵攻を終わらせたあとはプーチン政権に代わって、公正な選挙制度を基盤とする真に民主的な政治体制を築くべきだと訴えました。
北朝鮮外相 “ロシアの勝利確信”
ロシアを訪問している北朝鮮のチェ・ソニ外相が国際会議で講演し、ロシアによるウクライナ侵攻について「ロシアの勝利を確信している」と述べ、改めてロシアを支持する考えを表明しました。
北朝鮮のチェ・ソニ外相は20日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで開かれている国際会議で講演し、ロシアによるウクライナ侵攻について「欧米諸国の数十年にわたる敵対的な政策によってロシアの安全保障上の利益が侵害された結果だ」と主張しました。
そのうえで「われわれはロシアが勝利し、平和と安定を確保することを確信している」と述べ、改めてロシアを支持する考えを表明しました。
一方、国営のロシア鉄道は、新型コロナウイルスの影響で停止していたロシア極東の沿海地方と北朝鮮を結ぶ旅客列車の定期運行を、ことし12月に再開させると発表しました。
再開されるのは、双方の国境近くにあるロシア極東のハサンと北朝鮮のトゥマンガンを結ぶ列車で、観光客の増加を目指すということです。
ロシアと北朝鮮はウクライナヘの軍事侵攻後、軍事的な協力を深めているほか、ことしになってロシアから北朝鮮への観光ツアーが再開されるなど経済面での関係も強化しています。
※トゥマンガン=豆満江
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