オーストリア南部グラーツで、自由党の選挙集会に出席したキクル党首=7日(ロイター=共同)

 【ベルリン共同】29日投開票のオーストリア国民議会(下院、183議席)選で、元ナチス党員らが創設した反移民の右派、自由党が初めて第1党となる可能性が出てきた。過半数を得票する見込みはなく、自由党主導の連立政権が樹立されるかどうかが焦点となる。「極右」とも批判される自由党の台頭に欧州諸国は警戒を強めている。  隣国ドイツで今月あった3州の州議会選で排外主義を掲げる右派「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進したことが、自由党への追い風となったとも指摘される。  オーストリアでは高インフレなどでネハンマー首相率いる連立政権への国民の不満が募る中、自由党は昨年から世論調査で3割近くの支持率を維持してトップを走る。今年6月の欧州連合(EU)欧州議会選でも同国で首位となった。ネハンマー氏の中道右派、国民党は約25%、野党の社会民主党が約21%で追う。  最大の争点は移民・難民問題だ。シリアなど中東からの難民の流入が多く、自由党は抑制するために難民の滞在期間を制限することや、不法移民の国外追放などを掲げる。


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