ロシアの全面侵攻を受けるウクライナで、「行方不明者」として登録されている国民が5万5千人に上ると、ウクライナ内務省のティムシェンコ次官が明らかにした。26日に公開された国営通信ウクルインフォルムのインタビューで語った。

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 ウクライナには侵攻や占領、自然災害といった「特殊な状況」で行方不明になった人びとの法的地位に関する法律があり、親族が登録する。ティムシェンコ氏によると、この法律に従って登録された国民の大半が軍人だという。ただ、5万5千人という数字については「相当変動的だ」という。

 行方不明者の所在確認作業の一環として、ウクライナ政府は国外にいる国民のDNA型を採取する取り組みを進めている。これまでに107家族と、ウクライナ領内で亡くなった死者のDNA型が一致したという。

 ウクライナ兵の死者数については、全面侵攻が始まって2年となった今年2月、ゼレンスキー大統領が「3万1千人」と述べていた。米紙ウォールストリート・ジャーナルは今月、複数の関係者の話として「ウクライナは8万人と見積もっている」と報じたが、ゼレンスキー氏はウクライナの報道陣に「それはウソだ。実際の数字はもっと少ない」と語っていた。(ロンドン=藤原学思)

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