ウクライナの首都キーウ近郊のイルピンにある学校で行われた引き渡し式には、日本とウクライナの政府の関係者らが出席しました。

教科書の供与は、ウクライナ側の要請を受ける形で日本政府がJICA=国際協力機構を通じて行いました。

ウクライナ国内のおよそ1万校を対象に日本の小学5年生にあたる学年の児童が使う外国文学などの教科書、100万冊あまりが供与されるということです。

式典でウクライナのリソビー教育科学相は「2年前に国の予算が戦争に振り向けられ、教科書の予算が不足したとき、日本が最初に支援を名乗り出てくれた」と述べ、謝意を示しました。

ウクライナに駐在する松田邦紀大使は「若い世代はウクライナの将来の復興に重要な役割を果たす。日本はウクライナの復興と繁栄への道のりを支援する」と述べました。

児童や生徒からも支援への謝意が示され、このうち16歳の女子生徒は「将来は国際的な企業で働いて、ウクライナを復興させたい。いつか日本にも行きたい」と話していました。

ウクライナでは連日、防空警報が出ていますがこの学校では26日も警報が出たため、児童や生徒500人ほどが一時シェルターに避難するなど安心して学べる環境の確保も課題になっています。

オンラインで群馬の児童と交流も

この日は、日本語を学ぶ子どもたちと群馬県の小学校を結んでオンラインの交流会も行われ、子どもたちは日本語でそれぞれの街を紹介したり、お互いの夢などを話したりしていました。

交流会に参加した日本の中学1年生にあたる学年の12歳の女子生徒は「緊張しましたがうまく話せました。日本語の発音や日本の文化が好きです。文字もとてもきれいです」と話していました。

またロシアによる軍事侵攻で、住んでいたアパートが攻撃されたという12歳の女子生徒は「交流会はとても楽しく、日本の生徒はとても熱心でした。ウクライナが戦争に勝ち、日本に遊びに行きたいです」と話していました。

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