ウクライナで人権状況を調査している、国連の人権監視団は、去年3月以降、ロシアの収容施設から解放されたウクライナの捕虜、174人に聞き取り調査を行い、1日、報告書を発表しました。

それによりますと、聞き取りを行った捕虜のほぼ全員が、収容中に棒などで激しく殴られたり、電気ショックを与えられたりするなどの拷問や虐待を経験していたということです。

また、性暴力を受けたという報告も100件以上あったとしています。

拷問は、ロシアやロシアが占領した地域にあるさまざまな収容所で日常的に行われていたとして、上層部が知らなかった可能性は極めて低いと指摘しました。

このため報告書では「ロシアの当局はウクライナの捕虜に対し、組織的な拷問と虐待を広範囲にわたって行っている」と結論づけました。

報告書をまとめた国連ウクライナ人権監視団のベル団長は、NHKの取材に対し「われわれのチームは何人もの捕虜に聞き取りを行ったが、ほぼすべての人が多くの拷問や虐待の悲惨な話を語っていた」と強調しました。

そのうえで「捕虜への拷問はいかなる状況下でも国際法で禁止されており、戦争犯罪だ」と指摘し、ロシアの責任を追及すべきだという考えを示しました。

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