イスラエル軍は1日、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したと発表した。イスラエルによるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師の殺害や、同組織を標的とした地上侵攻などに対する報復とみられる。イランがイスラエルを直接攻撃するのは4月以来で、中東における危機が一層拡大するのは避けられない状況だ。

 イスラエルは1日未明、北隣レバノン南部での地上作戦を始めたと発表。この地上侵攻について、ヒズボラに対する地域と標的を絞った「限定的」なものだと主張しており、ヒズボラを支援するイランの出方が注目されていた。

 イランは4月、シリアにある自国の大使館が空爆され、革命防衛隊の幹部らが殺害された報復として、イスラエルに300以上のミサイルやドローン(無人機)を発射。イスラエルは米英仏やヨルダンの協力のもと、攻撃の「99%」の迎撃に成功していた。今回の攻撃で、イスラエル側にどのような被害が出たかは現段階では不明だ。

 イランでは7月末、イスラエルと戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの最高幹部のイスマイル・ハニヤ政治局長が首都テヘラン滞在中に殺害されている。イランはイスラエルによる暗殺だとして即座に報復を宣言したが、攻撃には踏み切らない状態が続いていた。(根本晃)

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