【ワシントン=浅井俊典】11月5日の米大統領選に向け、民主党のウォルズ・ミネソタ州知事(60)と共和党のバンス上院議員(40)の両副大統領候補による討論会が1日、ニューヨークで開かれ、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃で緊迫度が増す中東情勢や経済政策、不法移民対策などを巡り、論戦を繰り広げた。

副大統領候補の民主党ウォルズ氏(左)と、共和党バンス氏=ミネソタ州公式サイト、米上院公式サイトから引用

◆「ハリスは何もしなかった」「トランプこそ危険」

 大統領選は、民主党のハリス副大統領(59)と共和党のトランプ前大統領(78)の接戦が続いている。副大統領候補による討論会は今回の1度だけで、大統領候補のランニングメート(伴走者)としてどれだけ援護射撃ができるかが焦点となった。  バンス氏は「カマラ・ハリスは副大統領の3年半で何もしなかった」と批判。ウォルズ氏は「ドナルド・トランプこそ危険だ」と切り返した。

◆「ペットを食べている」発言を巡っても応酬

 中東情勢について、バンス氏は「トランプ政権では米国の力と効果的な外交で世界に安定をもたらしていた」と強調し、バイデン政権の政策を批判した。ウォルズ氏は、トランプ氏の外交政策は「気まぐれなリーダーシップ」だったと反論し、「ハリス氏のような安定した指導力が必要だ」と述べた。  経済政策では、ウォルズ氏はバイデン政権が多くの雇用を創出したと主張。「富裕層から相応の税負担」を求めることで中間層の底上げを図ると訴えた。これに対しバンス氏は「現政権がインフレと物価上昇を招いた」とし、中間層の生活を苦しめていると強調した。  バンス氏は、バイデン政権で移民対策を担ったハリス氏の対応は失敗だったと指摘し、「記録的な不法移民の流入を招いた」と述べた。ウォルズ氏は、トランプ氏とバンス氏がオハイオ州スプリングフィールドで暮らすハイチからの移民が「ペットを食べている」とする虚偽の発言を拡散したことに言及し、「問題が起こると誰かを悪者に仕立て上げる」と非難した。 

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