【NQNニューヨーク=戸部実華】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比39ドル55セント高の4万2196ドル52セント(速報値)で終えた。前日に下げが目立った半導体を中心に主力株の一部が持ち直した。米労働市場の底堅さを示す経済指標も相場を支えた。もっとも、イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念は引き続き投資家心理の重荷となり、ダウ平均は下げる場面も目立った。

前日にイランがイスラエルをミサイルで攻撃し、イスラエルは報復する姿勢を示している。中東情勢は流動的で緊迫化への懸念はくすぶったままだが「2日は新たな攻撃といった悪材料が出なかったことで、ハイテク株などの買い直しにつながった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との見方があった。エヌビディアなど半導体株が買われ、相場全体の上昇を支えた。

朝発表の9月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数の増加幅は前月比14万3000人と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(12万8000人)を上回った。一方、年収の中央値は前年同月比4.7%増と、伸びは前月から小幅に鈍化した。労働市場は底堅さを保っているとの受け止めは、株買いを支えた。

個別銘柄ではセールスフォースやアップルが高い。ユナイテッドヘルス・グループやアメリカン・エキスプレスも買われた。原油高を受けシェブロンも上昇した。半面、ナイキは大幅安となった。前日夕発表の2024年6〜8月期決算で売上高が市場予想に届かず、9〜11月期の見通しも市場予想を下回った。メルクやウォルマートも安い。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比14.764ポイント高の1万7925.123(速報値)で終えた。

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