商業施設内の店舗に設置されたBL関連作品のキャラクターのパネル=8月、北京(共同)

 当局による厳しい検閲が敷かれる中国で、男性同士の恋愛を描くボーイズラブ(BL)作品が女性たちの心を捉えている。小説投稿サイトから生まれたヒット作は日本をはじめロシア、欧州など世界各国に進出。規制をかいくぐってドラマ化もされ、性的少数者への偏見が根強い中国でその認知度を高める結果につながっている。  褐色肌の半裸のイケメンに、人魚の姿をした美少年のパネル―。北京市の商業施設内の店舗にはBL関連作品のグッズがずらりと並ぶ。「男性カップリングだけだと当局に目を付けられるため、男女の『普通の恋愛作品』も交ぜるのが陳列のこつ」(店舗関係者)だ。  中国でBLは「耽美」と呼ばれ、作家も読者もほとんどが女性。1990年代に日本作品の海賊版が流入して定着したとされる。インターネットの普及に伴い、出版や映像に比べて監視が緩いウェブ上で小説を公開する作家が急増した。  中国では同性愛に限らず性描写は規制対象だ。習近平指導部は2021年、女性っぽい中性的な男性やBLを「不良文化」と断じ、排斥を通告した。


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