イスラム組織ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃から1年です。その後、中東各地で戦闘が広がり、イスラエルとイランの直接戦争に発展する懸念も出ています。現地から、加藤崇FNNイスタンブール支局長が中継でお伝えします。

私はいまイスラエルの最大都市テルアビブから約10kmの地点にいます。

イランは10月1日、180発以上のミサイルを発射し、その1発が、後ろに見える家を直撃しました。

住民はシェルターに避難し無事でしたが、建物は完全に壊れています。

また、爆風で周辺の建物も屋根が壊れたり、ガラスが粉々に砕けるなど、その威力の大きさを物語っています。

家屋に被害があった男性は「シェルターの中にいた。ぶんっと大きな音だった。まるでハリケーンのようだった」と話しました。

周辺には政府機関があり、イランはその場所を狙ったとみられていますが、各地でも民間施設の被害が出ています。

イスラエル側はイランに報復するとしていて、今はその時期と規模が焦点となっていて、緊張が高まっています。

一方で、ガザ地区では戦闘が1年も続いていて、市民の生活は厳しい状況が続いています。

イスラエル軍は、6日もガザ中部で病院を空爆するなど攻撃を続けています。

ガザ保健省によりますと、これまでに4万1870人が亡くなり、1万人以上が行方不明となっていて、現地で支援活動を行う国連機関の清田保健局長によると、夜通し続く空爆で、市民は毎日、死と隣り合わせの生活を続けているといいます。

UNRWA・清田保健局長は「きょうとにかく生き延びることを考える。今晩寝て、明日の朝起きて生きていれば、また明日のことを考える。だから、きょうのことが精いっぱいだと」と話しました。

また最新の現地映像では、多くの人が生き残るために支援物資を積んだトラックから略奪する様子が見られるなど、食糧不足が解消しておらず、停戦への道筋も見えていません。

イスラエルはレバノンへの地上侵攻を始め、また、イランと戦争に発展する恐れもあり、中東全体への紛争が拡大する懸念が出ています。

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