【NQNニューヨーク=矢内純一】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落して始まり、午前9時35分現在は前日比69ドル97セント安の4万2442ドル03セントで推移している。朝発表の9月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回った。米国のインフレ圧力の根強さが懸念され、投資家心理の重荷となっている。ダウ平均の下げ幅は100ドルを超える場面がある。
9月の米CPIは前月比の上昇率が0.2%と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%)を上回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率も前月比0.3%と、市場予想(0.2%)以上だった。一方、週間の新規失業保険申請件数は25万8000件と、2023年8月以来の高水準となった。市場では「緩やかなスタグフレーション(インフレと景気停滞の併存)が始まりつつあるとの懸念につながる」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との指摘があった。
ダウ平均と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日に最高値を更新した。主力株の一部には持ち高調整や利益確定の売りが出やすい面がある。
ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポとインテルが安い。アナリストが投資判断を引き下げたハネウェル・インターナショナルも下落している。半面、アマゾン・ドット・コムやトラベラーズが高い。アナリストが投資判断を引き上げたナイキも上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落して始まった。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。