【NQNニューヨーク=三輪恭久】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まった。午前9時35分現在は前日比183ドル54セント高の4万2637ドル66セントで推移し、9日に付けた最高値(4万2512ドル)を上回っている。主力企業の決算発表が始まり、市場予想を上回る内容だった金融株を中心に上昇している。ダウ平均の上げ幅は200ドルを超える場面がある。
11日発表の9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)を下回った。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が11月に0.25%の利下げを決めるとの見方を変えるほどではないとの受け止めがあった。米原油先物価格の上昇一服もあって米インフレへの警戒が薄れ、景気敏感株を中心に買われている。
個別ではJPモルガン・チェースが高い。11日に発表した2024年7〜9月期決算では、売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。24年12月期通期の見通しも引き上げ、好感した買いが入っている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表したウェルズ・ファーゴも上昇している。
ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスに買いが入っている。トラベラーズやボーイング、アメリカン・エキスプレスも高い。一方、メルクやナイキ、セールスフォースが下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。テスラが大幅に下落し、10%安となる場面がある。10日夜に自動運転タクシーの試作車を公表したが、量産やサービス開始の時期など収益につながる具体的な情報に乏しかったとの見方が多く、売りが膨らんでいる。
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