ずらりと並んだスタンド花。
白い菊の花を基調とし、白黒の帯が添えられ、まるで通夜や葬儀で用いられる供花に見えます。

10月12日から13日にかけ、韓国の人気7人グループ「RIIZE」が所属する大手芸能事務所のビルの前で撮影された写真です。

供花の帯には、「スンハン出て行け」「RIIZEは6人」と、RIIZEのメンバーの1人・スンハンさんへの中傷メッセージであふれていました。

スンハンさんは2023年、未成年での喫煙動画などが流出し、無期限の活動中止となっていましたが、11日に復帰を発表。
すると、これに抗議したファンが葬式用の供花を大量に送るデモを行ったのです。

これを受け、スンハンさんはわずか2日後、13日にグループの脱退を発表。
この抗議デモに、SNSでは「もはや集団いじめ」との声が上がりました。

一方、15日に韓国の国会に参考人として出席し、職場でのいじめを告白したのは、NewJeansのメンバー、20歳のハニさんです。

ハニさん:
(無視されたのは)一度や二度ではありませんでした。私が今日ここ(国政監査)に出なければ、静かに過ぎて、また埋もれてしまうと考えて出てきました。

約1時間の審問の中で、時折、涙を流しながら自身の思いを語ったハニさん。

ハニさん:
この世の全ての問題を解決できる方法がないということは分かっていますが、それでもお互いに人間として尊重すれば、少なくとも職場内いじめといじめ問題はなくなると思います。

国会で人気K-POPスターがいじめ問題を訴えるという異例の事態。

ハニさんは9月のライブ配信で、他のグループのマネジャーがハニさんのあいさつを無視するよう指示していたと明かしていました。

NewJeansは、2023年の「紅白歌合戦」にも出演するなど、日本でも人気の5人組ガールズグループです。

しかし、2024年4月、NewJeansの育ての親で敏腕女性プロデューサーのミン・ヒジン氏が親会社の大手芸能事務所と対立。
「ミン氏が独立を画策した」と親会社が刑事告発したのです。

これに対し、ミン氏は「事実無根」と否定しましたが、8月にはミン氏が所属会社の代表を電撃解任され、新しい代表には親会社側の人物が就任。
NewJeansは「育ての親であるミン氏を戻してほしい」と求めていました。

ハニさんのあいさつを無視するよう指示したとされるのは、親会社の傘下のグループのマネジャーでした。

15日、国会に証人として出席した所属事務所の新代表は、ハニさんの主張について「防犯カメラで確認できず、互いの主張が食い違っている。このような物議をかもしたことに対して、私もとても残念に思っています。これからもっと細かく見て改善していくようにします」と証言しました。

こうした事務所の対応について、ハニさんは「最善を尽くしたとは言えないと思う」と不信感を示していました。

国会で職場でのいじめについて証言した20歳のハニさんについて、同年代の女性はどう感じたのでしょうか。

21歳:
とても勇気のある行動だと思う。ひとりで女の子が国会の場に出席するっていうのは、女の子にそこまでさせるのは、会社の責任が問われる問題かと思う。

24歳:
言えるっていうのは勇気あることだと思う。挨拶返さないとか悪口を言うとか、今回はアイドルだったけど、そういう問題は日常生活でもどこでもあるんじゃないかな。

ハニさんの勇気ある行動に、日本でも関心が高まっています。

ハニさん:
先輩・同期・後輩・練習生が、だれもこうした問題に遭わずに済んだらうれしい。

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