【NQNニューヨーク=稲場三奈】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比153ドル86セント高の3万8239ドル66セント(速報値)で終えた。前日に発表した四半期決算が市場予想を上回ったマイクロソフトとアルファベットに買いが入り、投資家心理を支えた。

マイクロソフトの上昇率は一時3%を上回った。25日夕に発表した2024年1〜3月期決算はクラウドや人工知能(AI)関連事業が好調で増収増益となった。アナリストから目標株価の引き上げも相次いだ。好業績を評価した買いが集まり、ダウ平均を押し上げた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが一時12%高と大幅に上昇した。前日夕の決算発表に併せて初の配当を実施する方針を示し、好感された。ダウ平均ではアマゾン・ドット・コムやセールスフォースといった他のハイテク株にも買いが波及した。米長期金利が前日終値(4.70%)より低い水準で推移したのも、株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いにつながった。

26日発表の3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.7%の上昇だった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.6%)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが後にずれるとの懸念は相場の重荷となった。ただ、前日発表の1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値がインフレ圧力を示したことから「強い内容になることは予想されていた」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との指摘もあり、売りは広がらなかった。

個別では、キャタピラーやゴールドマン・サックス、ダウも買われた。一方、IBMやジョンソン・エンド・ジョンソンは下落。決算が低調だったインテルは大幅安となった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比316.140ポイント高の1万5927.900(速報値)で終えた。

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