米住宅価格高騰の一因は在庫不足との見方が多い(12日、ワシントン特別区)

【ニューヨーク=野一色遥花】全米住宅建設業協会(NAHB)が17日発表した10月の住宅市場指数は43となり、6カ月連続で好不況の境目となる50を下回った。ローン金利が再び上昇に転じた影響で期待されていた業況改善には時間がかかると見られる。

住宅建設会社や販売会社などNAHB会員を対象に、6カ月先までの販売予測などを聞いて指数化した。指数が50を上回ると事業者が新築住宅市場の状況を「好調」、下回れば「不調」とみていることを示す。

前月から2ポイント上がったが「不調」水準が続いた。指数を構成する項目では「現在の販売状況」が47と2ポイント、「今後6カ月の販売見通し」が57と4ポイント、「客足」が29と2ポイントそれぞれ上昇した。

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が10月10日発表した30年物固定住宅ローン金利は週平均で6.32%だった。23年10月につけた7%台後半から9月には6%近くまで下げていたが、10月に入り再び上昇している。

米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「足元のローン金利上昇を受け、今後の需要は建設業者の見通しを下回るだろう」と解説した。

建設業者は販売促進策を講じ続けている。なんらかのインセンティブを提供したのは回答者の62%(前月比1ポイント上昇)、価格を下げたと答えたのは32%(前月同様)だった。

次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月6〜7日に開かれる。トゥームズ氏は「大幅な利下げが進まない限り、ローン金利は住宅保有者の持つ金利の低さに及ばず住宅販売件数の改善はゆるやかなものとなるだろう」と説明した。

また同氏は「25年に失業率も上昇すれば、住宅購入に踏み切る金銭的リスクを負いたいと思う家庭の数が減るだろう」とも補足した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。