昨年10月のイスラエルへの奇襲の首謀者とされるイスラム組織ハマスの最高幹部、ヤヒヤ・シンワル政治局長がイスラエル軍に殺害されました。ハマス幹部の肉声が伝えられることはあまりありませんが、刑務所に収監されている間にシンワル氏と対話を重ねたイスラエルの諜報(ちょうほう)機関の元幹部が朝日新聞の取材に応じ、その発言と思想について語りました。
「とても賢く、自尊心が強い。そしてタフな人間だった」。イスラエルの刑務所の諜報機関の元幹部ユバル・ビトン氏は、シンワル氏の人柄についてこう振り返った。ビトン氏は、収監中に脳を患ったシンワル氏の命を救った恩人でもある。
シンワル氏が収監されている間に熱心に学んでいたのはユダヤ人とイスラエルの歴史、生活様式、政治や政治家のことだったという。ビトン氏は「敵と戦うために、敵のことを知ろうとしていた」と話す。
昨年10月からパレスチナ自治区ガザで始まったイスラエル軍とハマスの戦闘では、4万2千人以上のパレスチナ人が死亡している。なぜ、そこまでの犠牲を払ってもイスラエルと戦い続けるのか。
20年前、シンワル氏は刑務所のなかで、その決意のほどを明かしていた。(カイロ=其山史晃)
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