ロシア大統領府は29日、プーチン大統領の指揮下で戦略核の演習を開始したと発表した。ウクライナ侵略が長期化する中、米国などへの「核の脅し」を強める考えとみられる。
プーチン氏はオンラインで演習に参加し「新たな軍拡競争に巻き込まれるつもりはないが、核戦力を必要十分なレベルに維持する」と強調した。同様の演習は2023年秋などにも実施している。
「核兵器の使用は国家の安全を確保するための例外的な措置だ」とも述べた。
プーチン氏は23年11月に包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回する法律に署名した。24年9月には核兵器を使用するための条件を示した「核抑止力の国家政策指針」を改定すると述べた。核兵器を保有していない国からの攻撃であっても核保有国の支援があれば共同攻撃とみなすとも言及し、核兵器を使用する可能性を示唆した。
ウクライナがロシア西部クルスク州の一部を制圧するなど領内への攻撃を強める中、武器を供給する欧米諸国への威嚇を強める狙いもあるとみられる。
【関連記事】
- ・プーチン氏、核戦力「最高レベルで維持」 国防省会合で
- ・ロシア、戦略核部隊の演習実施 プーチン氏が指揮
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。