【NQNニューヨーク=矢内純一】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比154ドル52セント(0.36%)安の4万2233ドル05セントで終えた。住宅関連の銘柄の下げが目立った。米労働市場が減速しているとの懸念も投資家心理の重荷となった。一方で、ハイテク株に買いが入り、ダウ平均は上昇する場面もあった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、住宅建設のDRホートンが急落した。29日朝に発表した四半期決算では売上高と1株利益が市場予想に届かなかった。収益見通しも低調で売りに押された。ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポがつれ安し、ダウ平均を下押しした。

29日発表の9月の雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が市場予想に届かなかった。労働需給が緩む方向にあり、景気の勢いが鈍っていることへの警戒から、消費関連や景気敏感株の一部に売りが出た。

ダウ平均は上昇に転じる場面があった。週内に四半期決算を発表するアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株が上昇し、指数を支えた。市場では「ハイテク企業の収益の安定性を見込んだ買いが入っている」(ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのチャド・モーガンランダー氏)との指摘があった。

そのほかの個別銘柄では、ウォルマートやJPモルガン・チェース、IBMが下落した。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコカ・コーラも売られた。原油安を背景にシェブロンも安かった。半面、ボーイングとセールスフォースが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比145.559ポイント(0.78%)高の1万8712.748で終え、7月10日以来、3カ月半ぶりに最高値を更新した。メタプラットフォームズやアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。一方、テスラは下落した。

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