アフリカ南部ボツワナで1日、10月30日に実施された国民議会選挙の結果が発表され、独立から約60年にわたり政権を担ってきた与党「ボツワナ民主党」(BDP)が敗れた。アフリカ屈指の民主主義国家とされるボツワナで、1966年の独立から初めての政権交代となる。

 選挙管理委員会は1日、開票結果を受け、野党連合「民主改革のためのアンブレラ」(UDC)の指導者で弁護士のボコ氏が、新たな大統領に就くと発表した。

 英BBCによると、モシシ大統領は同日、敗北を宣言。「敬意を胸に身を引き、円滑な政権移行のプロセスに参加する。私は民主主義のプロセスを誇りに思うし、国民を尊重する」と述べた。ボコ氏は報道陣に対し、「平和的で秩序ある民主主義の移行が成功した」と述べたという。

 ボツワナは、ダイヤモンドの一大産地として知られる一方、ほかの産業があまり育ってこなかった。国際通貨基金(IMF)によると、ダイヤモンドの世界市場の低迷が影響し、2024年の経済成長率は1%にとどまっている。若者を中心に経済不況への不満が高まり、BDPは求心力を失ったとみられる。(ヨハネスブルク=今泉奏)

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