【ニューヨーク=共同】国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は1日、核兵器廃絶を目指す日本提出の決議案を145カ国の賛成で採択した。決議の採択は31年連続。今年の決議は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞決定に言及し「核戦争に勝者はない」として、核保有国に軍拡競争回避への行動を求めた。
決議では、被団協などの被爆者が世界中で核の悲惨さを伝えていると紹介。各国の指導者や若者らに広島、長崎を訪れて被爆の実相に触れるよう呼びかけた。平和賞決定など、この1年間の事実経過を追加したほかは、昨年採択された決議とほぼ同内容だった。今後、総会で採択される見通し。
賛成145カ国は昨年と同数で、核保有5大国のうち米国と英国を含む。反対は中国やロシア、北朝鮮など6カ国だった。
採択後、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使は記者団に「ウクライナや中東情勢など厳しい安全保障環境の中でも、核廃絶を求める決議に幅広い支持を受けた結果だ」と評価。2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け「機運を高めていきたい」と語った。
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