アメリカ大統領選の投票開始が日本時間5日午後7時に迫っていますが、どちらが選ばれるか次第で、私たちへの暮らしにどう影響が出てくるのでしょうか。元FNNワシントン支局長の風間晋解説委員とお伝えしていきます。
まずは、5日正午時点の世論調査です。青が民主党・ハリス氏優勢の州、そして赤く色づいているのが共和党・トランプ氏優勢の州です。
選挙人が538人いるんですが、過半数の270人を獲得した候補が勝利となります。
そしてそれ以外、グレーと黄色の斜線で示しているのは激戦州です。
7つありますが、ここでの勝敗が結果を左右するともいわれています。
そして現時点で、211対219でトランプ氏がリードしているという調査もあります。
まれに見る激戦なんですが、どちらが大統領に選ばれたら日本にいい影響なのか、悪い影響なのか、それぞれの政策を見比べていきたいと思います。
今回は、エネルギー、経済政策、紛争に対する考え方、この3つを挙げてみました。
1個目の「エネルギー」ですが、EV(電気自動車)をめぐっては、お互い意見が違うようです。
ハリス氏は、EV政策を維持するという考え方です。
ただ一方でトランプ氏は、バイデン政権の目玉だった「ガソリン車を完全にEVに置き換える政策」を撤回して、化石燃料、そして石油・ガスの促進をして価格を引き下げるとして真逆な考え方なんです。
元FNNワシントン支局長・風間晋解説委員:
トランプ氏は「環境よりもビジネス」っていう立場のわけですよね。ですからパリ協定、前回脱退しましたけど、バイデンさんがまた入りました。今度、トランプさんが大統領になると、また脱退する可能性もあるわけです。化石燃料を掘って掘って掘りまくるとトランプさんは言っているんですが、実は、それが日本へも輸出されれば、日本のガソリン価格が下がる可能性もあるので、そういう形で日本に影響してくるかもしれません。
続いては経済政策を見ていきましょう。
ハリス氏は、大企業・富裕層への増税をうたっています。
そして一方のトランプ氏は、円高ドル安を目指すとしていて、法人税に関しては引き下げるとしています。
元FNNワシントン支局長・風間晋解説委員:
トランプさんは貿易赤字が大嫌いなんです。だからアメリカ企業にドル安で、輸出でどんどんもうけてほしいっていうのがトランプさんの為替に対する考え方ですね。でもそれは逆に考えれば円高になるわけですから、日本の特に自動車産業、日本から直接あるいはメキシコ経由、カナダ経由でアメリカに輸出している日本車というのが、ドル高で価格が上がりますから、それは日本の自動車産業にとってはつらいことになるかもしれない。だって自動車産業は日本経済の大黒柱ですよね。そこが、ちょっと困ってしまうことになったら、日本全体の賃上げムードみたいなものにも水を差すことになりかねないわけで、そこは気になりますね。
紛争への対応について、トランプ氏は「戦争を終わらせるんだ」という発言もしているわけですが、それが日本にどんな影響があるのか、もしトランプ氏が選ばれた場合、紛争ということはどのように影響していくのか見ていきましょう。
紛争に対する考え方ですが、ハリス氏に関しては、ロシアが侵攻を続けるウクライナ侵攻に軍事支援への継続を訴えています。
地対地ミサイルなどを供与してきたバイデン政権の政策を踏襲する構えです。
一方でトランプ氏は、自分が大統領になったら「戦争を終わらせる」と、自身のSNSに投稿しています。
元FNNワシントン支局長・風間晋解説委員:
ハリスさんも戦争は終わらせたいんです。でも、今はバイデン政権の副大統領の立場があるので、バイデンさんの政策を否定するようなことは言えないというところがあります。一方でトランプ氏は、終わらせるということは「撃ち方やめ」はできるんです。ただ、「撃ち方やめ」ができたとしても、はたしてそのあとに正義はあるのか、あるいは人権に対する配慮はあるのか、生活は回復するのかはまったく見えない。新しい問題がすぐそこにあるっていう状況にしかならないような気がします。
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