【NQNニューヨーク=横内理恵】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続伸した。前日比1508ドル05セント(3.57%)高の4万3729ドル93セントと10月18日以来、2週間半ぶりに過去最高値を更新した。上げ幅は2020年4月以来の大きさだった。5日投開票の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領の当選が確実となった。次期政権が減税や規制緩和を進めるとの期待感から幅広い銘柄に買いが入った。引けにかけて上げ幅を広げ、この日の高値圏で終えた。

トランプ氏は激戦州7つのうち半数以上で勝利を確実にし、当選に必要な選挙人の獲得数が過半数に達した。連邦議会選挙では共和党が上院での多数派となった。規制緩和が進むとの期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が大幅高となった。減税が米景気や企業業績の支えになるとの見方でキャタピラーなど景気敏感株も買われた。

大統領選の世論調査で支持率が拮抗していたことから、接戦で結果判明に時間がかかるとの懸念があった。大きな混乱がなく、想定よりも早く結果が確定したことも投資家心理を上向けた。「選挙を取り巻く不透明感が想定外に早く晴れた」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)との声があった。

一方、トランプ氏が提唱する関税引き上げが業績への悪影響になるとみられるナイキやホーム・デポ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅続伸し、前日比544.295ポイント(2.95%)高の1万8983.466で終えた。10月29日以来、約1週間ぶりに最高値を更新した。上昇率は今年2月以来の大きさだった。

テスラの上昇が目立った。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が全面的に支援してきたトランプ氏の大統領選勝利を材料視した買いが入った。エヌビディアやアルファベット、アマゾン・ドット・コムも高い。次期政権で規制当局の反トラスト法(独占禁止法)や大型M&A(合併・買収)への姿勢が緩和されるとの期待があった。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も大幅に続伸し、前日比146.28ポイント(2.52%)高の5929.04で終えた。2週間半ぶりに最高値を更新した。

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