6日、米ウエストパームビーチでトランプ氏が開いた集会の会場周辺に駆けつけた支持者=鈴木龍司撮影
◆「戦っているからこその言動」
熱狂的なファンが挙げたのが、カリスマ性だ。全米の演説に足を運ぶ60代の男性は「一流のエンターテイナー」と評した。陣営が用意した原稿を読まず、漫談のような語り口の長いスピーチ。民主党を攻撃する誤情報も目立つが、自らの言葉で語る姿勢に「国民を思う気持ちが伝わり、高揚する」という。 「過激な発言は戦っている証拠」と、肯定的に受け止める声もある。「移民がペットを食べている」との差別発言が批判されたが、不法移民が急増したバイデン・ハリス政権への不満は党派を超えて強い。南部ジョージア州から駆けつけた年配の女性は「治安の悪化が心配。家族や子ども、孫と安全な街で暮らしたいと願うのは当然のことよ」と語り、厳格な移民対策を支持した。◆財政悪化政策は「庶民の味方」
化石燃料の増産でインフレを解消し、所得減税や残業代、チップの非課税化で中間層を救済する―。財政の悪化を招くと指摘される公約も、「庶民の味方」(30代の自営業男性)とウケが良かった。不動産業で財をなしたビジネスマンとしての経済政策や交渉術へ、期待感も目立つ。6日、米ウエストパームビーチでトランプ氏が開いた集会の会場周辺に駆けつけた支持者=鈴木龍司撮影
民主党のハリス副大統領(60)は女性の人工妊娠中絶の権利擁護をはじめ、人権の尊重を訴えの柱の一つに据えた。しかし、大学生の男性は「切実なインフレやロシアのウクライナ侵攻の打開策が見えなかった」と指摘する。「トランプ氏は経営者。実行力もあり、そういうことが得意だ」と強調した。◆傷ついても立ち上がる「強い男」
一方、女性人気の低さは泣きどころとされてきた。「最初は感情的な言動が受け入れられなかった」。そう語る50代の女性が好印象を抱いたのは、7月の銃撃事件での振る舞い。負傷しても「戦え」と呼びかける姿に、「本気で国のために立ち上がろうとしている」と感じたという。集会にはトランプグッズの帽子やTシャツで着飾る女性も目立ち、若者グループは「クールで強い男」と魅力を語った。7月18日、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで、共和党大統領候補の指名受諾演説に臨んだトランプ氏(鈴木龍司撮影)
国民の関心事を敏感にかぎ取り、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで有権者に迫ったトランプ氏。支持政党のない40代の会社員男性は、バイデン大統領(81)の撤退で短期間の選挙戦を余儀なくされたハリス氏について「レディー・ガガをはじめ知名度の高いセレブを集会に招いていたが、大統領としてやりたいことが分かりにくかった」とトランプ氏に投票した理由を明かした。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。