【ニューヨーク=佐藤璃子】全米の大学でパレスチナ自治区ガザで攻撃を続けるイスラエルへの抗議活動(デモ)の影響が広がっている。米メディアによると逮捕者は約1000人に上ったという。米コロンビア大学は29日、デモ隊に校内のテントを同日午後2時までに撤去しなければ停学処分にすると警告。期限を過ぎても多くの学生が残り、抗議を続けているという。
米報道によると、学生の抗議活動がエスカレートしていることを受けて、コロンビア大学側は書面で「午後2時までにテントなどを撤去しない場合は、停学処分となる」と立ち退きを命じた。デモ参加者に2025年6月まで大学の方針に従うことや、身分を明らかにすることなども求めた。
期限である午後2時が過ぎた後も、少なくとも120張のテントが残り、デモを継続していたという。米大衆紙ニューヨーク・ポストは、期限を迎える直前にデモ参加学生が「我々は引き下がらない」と反発したと報じた。米東部ニューヨーク市の警察は18日にも、コロンビア大学で校内にテントを張ってデモをした学生ら100人以上を不法侵入容疑で逮捕している。
コロンビア大学のデモをきっかけに、全米の大学でデモが拡大している。米紙ワシントン・ポストによると、米大学のデモによる逮捕者数は直近2週間で1000人を超えたという。若年層の間で対イスラエルの姿勢を巡るバイデン政権に対する不満が強まっており、11月の大統領選にも影響を与える可能性がある。
【関連記事】
- ・イスラエルに抗議、全米の大学へ波及 大統領選の材料に
- ・全米デモ、バイデン政権に矛先 60年代想起の反戦運動
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。