ペルーで開かれるAPEC首脳会議に出席するため、石破首相が14日午後、羽田空港を出発します。

同行するフジテレビ政治部・門脇功樹記者の報告です。

少数与党での政権運営のため内政で独自色を発揮しにくい中、外交で成果を上げられるか。
焦点は2つの大国との関係構築です。

自由貿易やデジタル化が議題のAPEC首脳会議が開かれるペルーで、石破首相は15日、中国の習近平国家主席との初めての会談に臨みます。

会談では、中国の軍事活動に深刻な懸念を伝える一方、日中が共通の利益を拡大する「戦略的互恵関係」の推進を確認し、関係構築を図りたい考えです。

その後、石破首相はブラジルでG20首脳会議に出席し帰国しますが、経由地のアメリカでトランプ次期大統領との会談を調整しています。

側近は「2人は意外とウマが合うのではないか」と期待を寄せますが、まだ日程は確定しておらず、実現しても短時間となる可能性もあり調整の行方が注目されます。

石破首相はトランプ氏と会って直接話せるのか、この辺りもポイントになってきそうです。
これを巡っては「日程の壁」「共通点の壁」「安倍元首相の壁」の3つの壁があります。

まずは「日程の壁」を見ていきます。

石破首相は14日に日本を出発し、ペルーへ行きます。
その後、ブラジルに行ってG20サミットに参加するということですが、その帰りにアメリカを経由し、トランプ氏に会えるのか模索しているということです。

青井実キャスター:
まだ決まっていないわけですが、そこまでしても会いたい?

SPキャスター・岩田明子氏:
水面下では20日ごろに会いたいというリクエストをしたところ、日程を担当する人にはつながって、その方からトランプ氏につながって、トランプ氏は「サウンズグッド」と言ったそうなんですね。会う気持ちはあると。

青井実キャスター:
でも各国の皆さん会いに行きたいですから。それくらい世界でトランプ氏に会いたいというラブコールがあるわけですね。ここで会っておくのは重要なんですね。

SPキャスター・岩田明子氏:
最初が大事ですね。

続いて、2つ目の「共通点の壁」を見ていきます。

トランプ氏と石破首相の共通点はどんなところがあるのかも注目ですが、過去、共通点を生かした成功例がありました。

それが、安倍元首相です。

安倍元首相は世界の首脳の誰よりも早くトランプタワーに赴いた過去がありました。
トランプ氏が一度目の大統領になることが決まって以降、初めて会った外国の首脳が安倍元首相でした。

そして、笑顔が印象的な写真もありました、安倍元首相とトランプ氏のゴルフ外交ですが、一緒にゴルフを回りながら対話するゴルフ外交が何と5回も行われました。

石破首相も実は高校時代にゴルフ部に入っていたということですが、今はやっていないという情報があります。

青井実キャスター:
岩田さん、このとき直接取材していたと思いますが、信頼関係はどうやって築いていけばいいですか?

SPキャスター・岩田明子氏:
ファーストインプレッションが大事だったなと思います。
最初にトランプタワーに行った時、私も同行していましたが、何も分からない状態でしたが、出迎えに来たのがイバンカさんだったんです。
そこでとっさに安倍さんは、イバンカさんのお嬢さんが当時世界ではやっていたピコ太郎の踊りを踊っている動画を見たと言ったところ、ものすごく喜んだんですね。
イバンカさんが喜ぶことはトランプさんも喜ぶので、会談が始まりますが、そこで北朝鮮のブリーフをしっかりやったことがものすごく印象に残ったようです。
90分みっちり北朝鮮と中国について。

トランプ氏と石破首相の好きなものを調べてみました。

まず趣味について、トランプ氏はゴルフやテニス観戦が好き。
一方で石破首相は、読書やプラモデルが好きということで、どちらかというとインドア寄り、トランプ氏はアウトドア寄りです。

食べ物は、トランプ氏がハンバーガー好き、石破首相がカレー好きということで、もしかしたら食の方向性は似ているかもしれません。

また、トランプ氏はお酒は飲みませんが、石破首相は飲むというところで、共通点についてはなかなか厳しいかもしれません。

青井実キャスター:
うまくやっていくためにはどうすればいいですか?

SPキャスター・岩田明子氏:
とりつくろわずに、ご自身の強いエリアについて話してみて、あまり反応がなかったら次の話題にするとか、トランプ氏はゴルフ、テニス観戦がお好きですけど、日本の野球もすごく詳しいので、安倍夫妻とトランプ夫妻でメラニアさんのお誕生日を祝ったんですね。
2019年ですが、日本のプロ野球選手についてすごく聞いてきて、「どうしてこんなに大リーグを目指すんだ、金か?」と言ったら、「夢だよ、ドナルド」って答えて、その時にメラニアさんが「背が高くてハンサムな選手がいるわね」と聞かれ、安倍さんが「大谷翔平である」と言って盛り上がったと。日本のスポーツの話でもいいんですよ。

調べたところ共通点が1つ見つかりました。
実は石破首相もキリスト教の信者ということで、2人ともキリスト教のプロテスタントであるというところで、関係者の中には、こういったことをもとに話が合うのではという話もあります。

そして3つ目は「安倍元首相の壁」です。

安倍元首相とトランプ氏はとても仲が良く、お互いを「シンゾー」「ドナルド」と呼び合うほどの仲でした。
それから、気になるのは石破氏が安倍元首相と政治上対立した立場である「政敵」のように知られているというところがどういうふうに影響していくのかという声もありました。

青井実キャスター:
この辺の印象を含めてどうですか?

SPキャスター・岩田明子氏:
トランプさんは印象の人で難しいかもしれませんけど、安倍さんの通訳をトランプさんがすごく気に入っていたので、今回、その通訳が同行できるのであれば、これは1つチャンスかなと。非常に懐かしいと思います、トランプさんにとって。

青井実キャスター:
その関係でうまく雰囲気が緩むのかですが、仲良くなっていくことは、第2次トランプ政権との関係は良くなった方がいいですよね。

SPキャスター・岩田明子氏:
それはそうですね。関税をかけてくる可能性は非常に高いですから、その時に丁々発止で打ち返さなければいけませんので。

アメリカで会えるのか、会えないのか注目です。

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