【NQNニューヨーク=矢内純一】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、15時現在は前日比56ドル92セント安の4万3212ドル02セントで推移している。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクが引き続き投資家心理の重荷となっている。一方で、ディフェンシブ株が上昇し、ダウ平均は下げ渋り、一進一退が続く。
20日午前にウクライナ軍が英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射したと伝わった。19日には米国が供与した長距離射程のミサイルでロシアの軍事施設を攻撃した。ウクライナとロシアを巡る緊張が高まっており、市場心理に影響している。
個別では、20日の取引終了後に四半期決算を発表するエヌビディアが下落している。「ハイテク株の持ち高を整理したい投資家が多い」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも下げている。
ダウ平均は前日までの4営業日で700ドル近く下落した。米大統領選後の急激な株高に伴う調整との見方から主力株に買いが先行し、ダウ平均は上昇する場面があった。午後の取引でもディフェンシブ株の一部に買いが入り、指数を支えている。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ビザとナイキが安い。JPモルガン・チェースも下げている。半面、ユナイテッドヘルス・グループとアムジェンが上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落している。
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