南アフリカで、金の採掘場の廃鉱の地下にいる違法採掘者を“あぶり出そう”とする、政府の“兵糧攻め”作戦が物議を醸している。
これまでに1000人以上の違法採掘者が地上に出てきたというが、中には歯磨き粉を食べて生き延びていた人もいた。
金の採掘場の地下廃鉱に数百〜数千人か
広大な敷地に掘られた大きな穴。
この記事の画像(36枚)近くで見ると、はしごらしきものはボロボロになっている。
ここは南アフリカ北西部・スティルフォンテーンにある、使われなくなった金の採掘場。
AP通信によると、この地下に数百人から数千人が取り残されているとみられている。
違法採掘者が1000人以上地上に
地下に取り残されているのは、違法採掘者だ。
世界有数の金の産出国・南アフリカでは、廃鉱に近隣の国からの移民が集まり違法採掘が横行し、廃鉱から違法で掘り出された鉱物が、犯罪組織の資金源になっていることが長年問題となっている。
こうしたことを受け、政府は「違法採掘者をあぶり出す」と、違法採掘者を取り締まるために坑道の封鎖を強化し、約1カ月にわたり地下への水や食料の供給を遮断する“兵糧攻め”を行っている。
狙いは、耐えられなくなった違法採掘者が地上に出てきたところを逮捕すること。
南アフリカ国家警察報道官は「警察官・兵士・政府関係者が、廃坑に降りることはないという決定を下しました」と語った。
これまでに、1000人以上の違法採掘者が地上に出てきたという。
“兵糧攻め”に批判も…歯磨き粉を食べ生き延びた人も
一方、この作戦に対する批判の声も上がっている。
抗議をする人は、「政府は少なくとも虐殺する意図がある」と話す。
地元のメディアなどによると、地下には数百人から数千人がいる可能性があり、これまでに死者も出ている。
また地上に出てきた人の中には、歯磨き粉などを食べて生き延びていたという人もいた。
鉱山の入り口付近では、地下にいる人たちの家族らが心配する姿が見られた。
違法採掘者への“兵糧攻め”は、いつまで続くのか。
南アフリカのラマポーザ大統領は先日、声明で「命を危険にさらしてはならない」と警察に呼びかけ、早期解決を求めている。
(「イット!」11月22日放送より)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。