イスラエル軍とレバノンのヒズボラとの間で戦闘が激化する中、アメリカの働きかけで停戦に向けた協議も続いています。

複数のイスラエルメディアは25日、イスラエル政府が26日にも閣議を開き、停戦合意について議論するとの見通しを伝えています。

アメリカのニュースサイト、アクシオスは、合意はほぼ最終段階にあるとしたうえで、イスラエル政府が閣議で停戦合意を承認するというアメリカ側の政府関係者の見方を報じています。

ただ、最終的な合意には当事者間で明確にすべき点が残っているとの見方もあり、停戦がすぐに実現するかは予断を許さない状況です。

ガザ地区 本格的な冬が近づく

一方、イスラエル軍による攻撃が続くパレスチナのガザ地区では、雨や強い風の日が増える本格的な冬が近づいています。

NHKガザ事務所のカメラマンが南部ハンユニスで24日撮影した映像には、雨や風をしのぐために張られたシートや布が大きくはためき強い風が吹いている様子や、はだしで歩く子どもの姿が写っています。

ガザ地区では人口のおよそ9割にあたる少なくとも190万人が避難を余儀なくされていて、国連は雨や寒さから身を守るための避難所や物資が必要だとして、人道状況の改善を訴えています。

米大統領補佐官 合意近づいている認識示す

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は25日、記者団に対し、イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間の停戦に向けた協議について「われわれはもう少しというところまで来たと考えている」と述べて、合意が近づいているという認識を示しました。

その上で「停戦に向けた流れは正しい方向に進んでいるが、まだ終わってはいない」と述べて、合意の実現に向けて働きかけを続ける考えを示しました。

イスラエル ダノン国連大使「前進している」

また、イスラエルのダノン国連大使は25日、記者会見で「まだ最終決定はしていないが前進している」と述べ、合意に近づいているという見方を示しました。

そのうえで「われわれにとって重要なのはその後、ヒズボラが国境のフェンスの近くに戻って来られないようにすることであり、それを確実にするためにあらゆることをする」と述べ、ヒズボラの動きをけん制しました。

また停戦にあたっては、レバノン南部で平和維持活動にあたっている国連のレバノン暫定軍が、引き続き駐留することが必要だという認識を示しました。

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