【ベルリン=共同】24日に大統領選の第1回投票が実施されたルーマニアで29日、選管当局が憲法裁判所の命令を受け、票の再集計を始めた。選挙では動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で選挙活動を展開し、泡沫候補と目されていた親ロシア派の極右ジョルジェスク氏が得票率約23%で首位に立ち、衝撃が広がっていた。欧米メディアが報じた。
ジョルジェスク氏と2位の野党党首との決選投票は12月8日に予定される。1日には上下両院選の投票も控え、極右勢力の台頭が予想されており、混乱が続きそうだ。
報道によると、落選した候補が選挙無効を訴え、憲法裁は28日、選管に再集計を命じた。再集計後に憲法裁は無効かどうかの判断を下すとみられ、結果次第では再選挙の可能性も指摘される。
国の安全保障に関する国防最高評議会は28日、「選挙プロセスの正当性に影響を与えるサイバー攻撃があった」と発表し、ロシアの関与を示唆。さらにTikTokでジョルジェスク氏が優遇され、投稿が拡散したと主張している。
ジョルジェスク氏はロシアのプーチン大統領を称賛する発言で物議を醸していた。北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に懐疑的で、ウクライナ支援への反対も掲げていた。
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