プラスチック削減 へ 「量り売り」で販売
ドイツの「量り売り」店 物価高騰で苦戦
プラスチックの容器や包装のごみを減らそうと、京都市や都内に店舗があるスーパーでは店内のほとんどの商品を「量り売り」で販売しています。このスーパーでは客がビンや袋などの容器を持ち込み、必要な分をはかりで量って、購入する仕組みで、一般的には包装して売られている砂糖や塩、小麦粉のほか、パスタなどの乾麺も、欲しい分量だけ購入できるようになっています。また、野菜などは指定した大きさに店内で切ってもらうことができます。
スーパーによりますと、ビンなどの容器は「預かり金」=「デポジット」の仕組みで貸し出していて、肉類のほか、洗剤などについても、「量り売り」で販売しているということです。
スーパー「斗々屋」(ととや)のノイハウス萌菜(もな)さんは「ごみを出さないスタイルは購入する消費者も分別などの手間が減るほか、販売する側にとっても容器代が削減できてそれぞれメリットがあります。一方で、企業や消費者任せでは限界があるので、国がある程度のルールづくりを行って取り組む必要があると思います」と話していました。
プラスチックによる環境汚染が世界的な課題となる中、ヨーロッパではプラスチックの容器や袋を減らすため、ほとんどの品物を量り売りで販売する店が広がっています。ただ、物価の高騰などで多くの店が閉店に追い込まれ継続が課題となっています。ヨーロッパでは、環境意識の高まりとともに、フランスやドイツなどでプラスチックの容器や袋を減らそうと、食料品などを量り売りで販売する店が広がっています。このうち、ドイツ北部ハンブルクの店では、パスタや豆などにとどまらず、洗剤といった日用品も量り売りで売っていて、客は持参したガラスの瓶に詰めて買い求めていました。また、プラスチック削減を徹底するため地元産の固形シャンプーなども販売しています。毎週のように訪れるという男性は「プラスチックを減らすため日常的に簡単にできる方法を探すことはとても重要だ」と話していました。
この店は、地元の女性たちがクラウドファンディングで資金を募り、4年前にオープンしました。ただ、店の売り上げはピークの半分ほどに落ち込み、経営は厳しいといいます。売り上げが落ちている背景について、店の経営者は、ロシアのウクライナ侵攻の影響などによる物価の高騰が大きいと話していました。さらに、新型コロナの感染拡大や世界各地で紛争が相次いでいることで、環境保護への意識が相対的に薄れているのではないかと指摘していました。変化は店舗数にも現れていて、ドイツの量り売りの店でつくる協会によりますと、現在は230店舗で、ピークだった4年前から100店舗以上減っているということです。
店を経営するリュバチェクさんは「私たちは諦めない。私が使い捨てのプラスチックを使っても大したことではないが、ハンブルクや世界中の誰もが同じことをしたら、それは大量のごみになる」と、取り組みを続ける考えを強調していました。
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