【NQNニューヨーク=稲場三奈】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前週末比16ドル87セント高の4万4927ドル52セントで推移している。年末商戦が好調な滑り出しとなったとの見方が株買いにつながっている。一方、ダウ平均が前週末に最高値を更新したあとで、主力株の一角に利益確定目的の売りが出やすい。ダウ平均は下落に転じる場面がある。
市場では「小売業にとってブラックフライデーの週末がうまくいったようだ」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との声が聞かれる。マスターカードは11月30日、ブラックフライデーでの自動車を除く小売売上高が前年比で3.4%増となったと公表した。消費が底堅いとの受け止めは投資家心理の支えとなっている。
もっとも、ダウ平均は前週に600ドルあまり上昇し、前週末には過去最高値を更新した。短期的な過熱感を意識した売りも出やすい。
トランプ次期米大統領は30日、「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)の新通貨をつくらず、強大なドルに代わるほかの通貨を支持しないと約束するように求める」との考えを示した。従わなければ、高関税を課すとした。次期政権の関税政策や対外関係の悪化への警戒は株価の重荷となっている。
個別では、アマゾン・ドット・コムやエヌビディア、ボーイングが高い。半面、ナイキやアムジェン、ベライゾン・コミュニケーションズなどは下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。テスラが高い。高度運転支援システム(FSD)の最新版を公表し、好感した買いが入っている。最高経営責任者(CEO)の退任を発表したインテルも一時5%高と買われている。
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