米ニューヨークのウォール街

【NQNニューヨーク=戸部実華】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、15時現在は前日比156ドル12セント安の4万4609ドル59セントで推移している。週半ばに過去最高値を更新し、主力株の一角には利益確定売りが優勢になった。6日朝発表の11月の米雇用統計は市場予想をやや上回ったものの、12月の米利下げを見送るほどではないと受け止められ、ハイテク株などには買いが入ってダウ平均を支えている。

ダウ平均は4日に初めて4万5000ドル台で終えた。11月から急ピッチで上昇してきた後で、週末を前に景気敏感株やディフェンシブ株に売りが出ている。来週には11月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)が発表される。物価指標が市場の想定より上振れすれば、米連邦準備理事会(FRB)の政策判断に影響するとの観測から様子を見たいという雰囲気もある。

ダウ平均は高く始まっていた。11月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万7000人増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万4000人増)を上回った。10月分は上方修正した。平均時給は前月比の上昇率が0.4%と市場予想(0.3%)より高かった。一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に上昇した。「12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが0.25%利下げするとの見方を変える要素はなかった」(オックスフォード・エコノミクス)との受け止めが相場を支えている。

米長期金利は前日終値(4.17%)を下回って推移する場面が目立つ。金利上昇に一服感が出ていることも、ハイテク株を中心に買いを誘っている。ハイテク株は11月の相場上昇で景気敏感株や中小型株と比べると買いの勢いが鈍かった。「相対的にみて割高感が薄れていた主力ハイテク株には資金が向かいやすくなった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

個別銘柄ではユナイテッドヘルス・グループの下げが目立ち、ダウ平均を下押ししている。シェブロンやエヌビディア、ボーイングも安い。半面、アマゾン・ドット・コムやナイキ、IBMが買われている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発している。4日に付けた最高値(1万9735)を上回って推移している。

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